スピーカー間隔が狭いコンシューマーデバイスは、狭く平坦なサウンドステージを生み出します。左右スピーカドライバー間の物理的な距離(スマートフォンやノートPCではわずか数センチ、スリムテレビでは数十センチの場合があります)が、ステレオコンテンツが提供できる空間表現力を制限します。アンビエンスや奥行き感は無くなり、音場は部屋全体ではなく小さくまとまってしまいます。
PRISM SoundSpaceは、標準的な2チャンネルステレオ信号から前方3Dを作り出します。物理的なスピーカー位置をはるかに超える心理音響的な幅、高さ、奥行きを付加しつつ(通常、知覚される幅を2倍程度に拡大します)ソース素材の基本音質を保持します。
仕組み
PRISM SoundSpaceは、空間レンダリングとPRISMイコライジングの2つの処理を組み合わせています。
空間レンダリングは、Eilex独自のSpherical Head Model(SHM)を使用して、人間の頭部周辺での音の伝搬を計算します。特定のダミーヘッドから測定され、そのモデルと頭部形状が一致するリスナーにのみ正確に適用される頭部伝達関数(HRTF)とは異なり、SHMは一般化された球面近似を使用し、異なる頭部形状・サイズのリスナーに対して一貫した空間精度を提供します。クロストーク・キャンセレーション(XTC)プロセスがSHMと連動して動作し、反対側のスピーカーから各耳に到達する音をキャンセルします。これにより空間精度が向上し、レンダリングされたサウンドステージが物理的なスピーカー位置の外側まで拡張されます。
PRISMイコライジングステージは、スピーカーシステムのAcoustic Power Volume Density(APVD)周波数特性を補正し、空間処理が適用される前に音色的に正確なベースラインを確立します。この補正がなければ、スピーカーからの周波数依存の着色が空間レンダリングを歪めてしまいます。
ステレオは拡がり、ダイアログは中央に
あらゆる空間プロセスにおいて最も重要な要素は、ダイアログ成分がどうなるかです。PRISM SoundSpaceはステレオコンテンツ(アンビエンス、リバーブ、サウンドエフェクト、楽器の配置)を選択的に拡大しながら、モノラルおよびセンターチャンネルのコンテンツをあるべき位置に正確に留めます。ニュースキャスター、映画のダイアログ、ソロボーカルはしっかりとセンターに定位されたままです。空間拡張は、それによって効果が得られる要素にのみ適用されます。
これにより、サウンドモードを切り替えることなく、すべてのソースに対応する事が可能です。ニュース、ドラマ、映画、音楽、スポーツのいずれも正しく処理され、ユーザーやシステムがコンテンツの種類ごとにモードを選択する必要はありません。
イメージの引き上げ
今日の多くのテレビの様にスピーカーが画面の下に設置されている場合、PRISM SoundSpaceは仮想の音源位置を画面内に引き上げます。ダイアログはテレビ台やベースからではなく、画面上の話者から聞こえるようになり、視覚的なイメージに一致する様になります。
バーチャルサラウンドではありません
PRISM SoundSpaceは標準的な2チャンネルステレオ入力で動作します。デジタル接続された5.1チャンネル信号を必要とするバーチャルサラウンドプロセスとは異なり、SoundSpaceは放送、ストリーミング、音楽、ゲームなど、あらゆるステレオソースを特別な入力要件なしに動作します。
PRISM SoundSpaceの用途
PRISM SoundSpaceは、物理的なスピーカー配置が空間的リスニング体験を制限するあらゆる製品向けに設計されています。テレビ、ノートPC、PCモニター、携帯電話、Bluetoothスピーカーのいずれもが、拡張されたステージングの恩恵を受けます。プロセスはリニアであり、オリジナル録音の方向性と音色を保持します